雪舟と温泉の旅 −山口県−  2006.11.29 − 12.01


雪舟没後500年記念展が好評と聞いて、山口県まで行ってきました。
記念展が11月30日までと知ったのが20日過ぎ、直前直後の予定が立て込んでいて、日程のやりくりが大変でしたが、夏の間一生懸命働いたご褒美・JALのマイレージが宇部山口空港まで二人分往復あったので、それを利用、その分湯田温泉で贅沢しました。


11月29日(水)

往路のJALは結構混んでいました。雪舟特別展へ行く人も多かったらしく、同じ顔を美術館でも湯田温泉でも萩・津和野でも見かけました。
宇部山口空港はとてものどかな空港、ということは交通の便はイマイチで、空港から山口へは飛行機の時間に合わせたバスだけが通じていて、しかもこれは新幹線の「新」山口へ行く人の利便性が優先、次が湯田温泉で、私達が目指す在来線の山口駅はバスで着いた新山口からJRに乗り換え、でもパソコンの乗り換え検索で一応スムーズに到着。
駅から真っ直ぐ延びる商店街を抜けると左手に有名なザビエル聖堂の鐘楼が見える。

宿に荷物を置いて、まずはザビエル聖堂へ。

日本にキリスト教布教に来たザビエルの遺跡は市内に沢山あるが、ここが一番有名。何年か前に不審火で焼けたことも記憶に鮮やかだが、現在は超近代的な教会に再建されている。かなりの急坂を登って前面に出ると、あんまの近代建築でちょっと驚く。夜は美しくライトアップされたり、様々なイベントでは中心的な役割を果たし、15分毎に鳴る鐘楼の鐘の音はかなり広範囲に聞こえ、教会が今も市民の心のよりどころになっていることが窺える。
中に入ると、殆ど人が居ない中、音楽が静がに流れ、なかなか良い雰囲気。遠くまでよく布教に来たものだと今更ながら感心する。
教会内は撮影禁止?ではなかったかもしれないけれど、私は内部の写真は撮らない主義。

静かな公園の中を通って雪舟特別展が開かれている山口県立美術館へ向かう。

雪舟特別展は新聞・週刊誌でも報じられたが、素晴らしいということで個人旅行のほか関連したパッケージツアーも幾つか催行され、かなりの賑わいで、私達は「入場10万人記念」のクス球が割られた直後の入場だったらしい。
私が雪舟について知っていることといえば、足を使って涙でネズミの絵を描いたことぐらいだが、沢山の絵があるのでびっくり、まぁ何と言っても「画聖」と呼ばれているくらいだから当たり前だけれど。
画風は一定していない感じでそんなに上手とも思えない?けれど、私にとって一番意外だったのは、雪舟がかなり本当の僧侶だったこと、中国へ随分長い間行っていて、絵だけでなく仏教の面でも修行を積んだ人だったらしいこと。

盛況とは言っても「押し合い屁し合い」ほどには混んでいなかったので、ゆっくり鑑賞できた。


11月30日(木)山口近辺を隈なく見るには、東京から朝一の飛行機で来て、宇部山口空港から出ている「萩・津和野」観光バスに乗り、翌日は「秋芳洞と長門・青海島」観光バスに乗るのが便利らしいが、それは来てから知ったことで、ゆっくり便で来た私たちは二日目が萩・津和野で秋芳洞は割愛となった。



足湯


中原中也記念館

バスの出発前にまず湯田温泉の町を散策、街中には足湯が沢山あり、入って読書をしている人もいる。湯田温泉には狐の伝説があるとかで可愛い狐の置物もあちこちに。またここは中原中也の出身地で記念館がある。あんまり興味の無い詩人なので外観を撮影しただけ、すぐ隣の酒屋にあった狐の置物がまた可愛い。
「ういろう」が名物ということなので土産の下見もする。

バスはまず津和野へ。津和野は山口県ではないが、萩とセットでドラマの舞台になることも多いらしい。萩と対等に扱われていないというガイドさんの嘆きを聞きながら到着。
まずは津和野名物「うづめ飯」の昼食。ご飯の下に具が埋まっていることからの命名らしい。ちょっと豪華なお茶漬け。
その後ガイドについて街中を一回り、立派なお屋敷が並んでいる。それぞれが資料館や役場などに利用されているが、個人の家もある。堀に鯉がいることで有名だが、その大きいこと。

時間は短いがフリータイムということで、歩くと片道20分という森鴎外宅へ。
途中、紅葉が美しい。川には鯉も泳いでいるそうだが、大きな青サギやオシドリ、カモなどが沢山。写真を撮ろうとすると飛んでしまう。人間を意識しているのか?

森鴎外旧居

津和野の伝統行事・サギ長の像を見た後、萩へ向かう。途中には「ちょんまげ酒造」という看板があって好奇心をくすぐる。作っているのは地ビールだが、地元に沢山売っていたのに空港には全く無く結局土産には出来なかった。

松陰神社 松下村塾

萩ではまずは松陰神社。

幕末、攘夷の意味も知らなかった幼い時にマンガで読んだ松陰の生涯が、何故か今もとても鮮やかに記憶に残っている。彼の薫陶を受けた人々が明治以降の日本の礎を築いたわけだが、今も彼を厚く尊敬する風土が、山口県に日本で一番多くの首相を生み出しているとも言える。が、松陰自身はあそこまでの開明をどこから得たのか、ちょっと不思議。
次はお決まりの武家屋敷散策。高杉晋作を始めとする幕末の志士達の家が軒を連ねていた場所で、今もその風情が残されている。途中にある小さな商店は殆どが萩焼きの店、最近は超モダンな焼き物も見られる。
萩は私のおばあちゃんの出身地で親戚もあるが、観光バスでの訪問なのでパス、暗くなった道を湯田温泉へ戻る。

今夜は温泉宿で一泊。ちょうどフグの季節ということで飛行機代がタダになった分贅沢をしたが、量が多く「過」満腹。

12月01日(金)

夕方の飛行機まで、今日は山口市内の観光。とても便利な観光バスがあるのだが、それは昨日11月30日でお終い、ということなので、バスと得意のテクで。

まずは雪舟が設計したという庭のある常栄寺へ。雰囲気のあるとても良いお寺。本堂の正面が雪舟が設計した大きな庭。大内氏一族の墓もある。
庭の向こう側には毘沙門天があると書いてあったので登っていくと、途中には木に登って卵を産むという天然記念物のカエルが棲息する池、毘沙門天はそこから更に更に上の方で、思いがけない運動をするハメになってしまった。

寺の門前には雪舟の胸像 雪舟庭

次は雪舟が名作をものにしたという画室、雪谷庵。こちらも静で良い雰囲気だが、開けっ放しの建物には管理人の姿も無い。ここからは瑠璃光寺の五重の塔が遠望出来る。



雪谷庵
瑠璃光寺の五重の塔

瑠璃光寺境内

瑠璃光寺の五重の塔は今回は特に紅葉が映えて美しい。懐かしい「あめ湯」をゆっくり味わいながら、満開の山茶花も楽しむ。

そろそろ駅へ向かう途中には大内氏に関する沢山の史跡がある。大内氏の館跡・龍福寺は工事中だったが、全体がサヤ堂に囲われた様子から、大切に保存されている様子が偲ばれる。寺へのアプローチは紅葉の真っ盛り。


山口駅から新山口までのJRは、交通便利な神奈川県で暮らしている者に取ってはとても不便、そしてその先、新山口からは更に、飛行機の時間に合わせてしか空港行きのバスが出ないので、次は3時間後とある。他の交通手段はタクシーのみ。
ちょっと早めだったが、一つ前のバスで空港へ。ちょんまげビールを空しく探し回ったり、刺身蒲鉾を試食、夕食などで時間を潰し、機上へ。